教育訓練給付制度の使い方完全ガイド|一般・専門実践の違いと申請手順

この記事の要点: – 教育訓練給付制度は3種類(一般・特定一般・専門実践)で給付率が異なる – 受講開始前にハローワークへの申請が必要(事後申請は不可) – 雇用保険の加入期間が1年(初回)または3年以上が条件

転職支援で資格相談をしていた6年間、「教育訓練給付制度って使えますか?」という質問を非常に多くいただいた。制度の存在は知っていても「手続きが難しそう」「自分が使えるのかわからない」という理由で活用できていない人が多かった。

この制度を使えば、資格スクールや通信講座の費用の20〜70%が戻ってくる。条件と手順を整理する。

目次

教育訓練給付制度とは

教育訓練給付制度は、働く人のスキルアップを支援するために厚生労働省が運営する制度だ。雇用保険の被保険者(または被保険者だった人)が、指定された教育訓練講座を受講した場合に、受講費用の一部が給付される。

3種類の給付

種類給付率上限対象
一般教育訓練受講費用の20%最大10万円簿記・ITパスポート・TOEIC等
特定一般教育訓練受講費用の40%最大20万円介護職員初任者研修・第一種衛生管理者等
専門実践教育訓練受講費用の50%(条件次第で70%)最大56万円/年(最大3年)社会保険労務士・看護師・大学院等

専門実践教育訓練では、修了後1年以内に就職・転職して「資格等関連職種に就いた場合」にさらに20%が追加給付される。最大で費用の70%が戻ってくる計算だ。

対象となる主な資格・講座

一般教育訓練(給付率20%・上限10万円)

  • 英語検定・TOEIC・TOEFL等の語学系
  • 簿記検定(日本商工会議所)
  • ITパスポート・基本情報技術者等のIT系
  • FP技能検定2級・3級
  • 宅地建物取引士

特定一般教育訓練(給付率40%・上限20万円)

  • 介護職員初任者研修・介護福祉士実務者研修
  • 第一種衛生管理者
  • 調理師・製菓衛生師

専門実践教育訓練(給付率50〜70%・上限56万円/年)

  • 社会保険労務士
  • 行政書士
  • 税理士
  • 看護師・介護福祉士・美容師等の国家資格
  • 大学院・専門職大学院の一部課程

具体的な対象講座は厚生労働省の教育訓練給付制度の「教育訓練講座検索システム」で確認できる。

申請資格:対象になる人

雇用保険の加入期間が条件

教育訓練給付制度を使うには、雇用保険(失業保険)の被保険者であること、または過去に被保険者だったことが必要だ。

状況条件
初めて利用する場合受講開始日時点で雇用保険加入期間が1年以上
2回目以降の場合前回の給付申請後に3年以上の雇用保険加入期間がある
離職した場合離職日から1年以内(延長の場合は最長4年)かつ1年以上の加入期間

対象外のケース

  • 自営業者・フリーランス(雇用保険に加入していない)
  • 学生(雇用保険の被保険者でない場合)
  • 受講開始日が離職から1年以上経過している場合

雇用保険の加入状況が不明な場合は、ハローワークで確認できる。

申請手順(受講前が重要)

ステップ1:ハローワークで事前確認(受講開始14日前まで)

重要:専門実践教育訓練は受講開始1ヶ月前までにハローワークへ「訓練前キャリアコンサルティング」を受ける必要がある。

一般・特定一般の場合は受講開始14日前までに、ハローワークで「教育訓練給付金受給資格者証」の発行を受ける。

持参するもの:

  • 雇用保険被保険者証
  • 本人確認書類(マイナンバーカード等)
  • 受講予定講座の資料(パンフレット等)

ステップ2:対象講座を選んで申込み

厚生労働省の「教育訓練講座検索システム」で対象講座を検索し、申込む。

注意点:同じ資格でも講座によって給付対象かどうかが異なる。「宅建 通信講座」と検索しても、すべての通信講座が対象ではない。検索システムで具体的な講座名・コードを確認してから申込む。

ステップ3:受講・修了

指定された講座を受講して修了する。

修了の条件は講座によって異なる(出席率80%以上・修了試験合格等)。条件を満たさないと給付が受けられないため、受講開始前に確認しておく。

ステップ4:受講修了後に申請(1ヶ月以内)

講座修了日の翌日から1ヶ月以内に、ハローワークへ申請する。

持参するもの:

  • 教育訓練修了証明書
  • 領収書(原本)
  • 教育訓練給付金受給資格者証
  • 本人名義の預金口座情報

ステップ5:給付金の振込

申請後1〜2ヶ月程度で指定口座に振込まれる。

FAQ

パートタイム・アルバイトでも対象になりますか?

雇用保険に加入していれば対象になります。パートでも週20時間以上勤務・31日以上の雇用見込みがある場合は雇用保険への加入義務があります。加入状況は勤務先または年金事務所で確認できます。

受講中に転職・退職しても給付されますか?

一般・特定一般の場合は受講修了後の申請時点で要件を満たしていれば給付されます。退職した場合は離職日から1年以内かつ1年以上の加入期間があることを確認してください。

通信講座も対象になりますか?

なります。通学か通信かは問いません。「教育訓練講座検索システム」で講座コードを確認して申し込むことが重要です。

申請を忘れると給付を受けられませんか?

修了日の翌日から1ヶ月以内が申請期限です。期限を過ぎると給付されません。

まとめ

  • 教育訓練給付制度は3種類(一般20%・特定一般40%・専門実践50〜70%)
  • 雇用保険加入1年以上(初回)が条件
  • 受講前にハローワークへ事前申請が必要(事後申請は不可)
  • 対象講座は厚生労働省の検索システムで確認
  • 修了後1ヶ月以内に申請・忘れると給付されない

資格取得を検討している場合、まず「教育訓練給付制度の対象か」を確認することを勧める。同じ資格を取るなら、給付を活用したほうが実質費用が大幅に下がる。

本記事は制度の概要を整理したものです。最新情報・個別の適用については最寄りのハローワーク(公共職業安定所)にてご確認ください。制度は変更される場合があります。


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この記事を書いた人

林 理恵(Hayashi)

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