教育訓練給付金は、一般教育訓練なら受講料の20%(上限10万円)、特定一般教育訓練なら40%(上限20万円)が戻ります。特定一般は、資格を取って就職するとさらに10%(上限5万円)が上乗せされ、合計で最大50%です。
この記事でわかること
- 一般・特定一般の計算式と、上限・支給されない線
- 受講料・区分・加入期間を入れると給付額が出る計算欄
- 受講料ごとの計算例(実質負担まで)
- 自分がどの区分で、そもそも受け取れるかの判定フロー
教育訓練給付金の計算式|一般と特定一般
教育訓練給付金の額は、教育訓練経費×給付率で決まります。そこに上限があり、少なすぎる場合は支給されません。
給付率と上限は、講座の区分ごとに違います。区分は自分で選ぶものでなく、講座ごとに厚生労働大臣が指定しています。
区分ごとの計算式(ハローワークのリーフレットより)
| 区分 | 基本の給付 | 上乗せ(追加の給付) | 合計の上限 | 支給されない場合 |
|---|---|---|---|---|
| 一般教育訓練 | 経費の20%(上限10万円) | なし | 10万円 | 20%の額が4千円を超えない |
| 特定一般教育訓練 | 経費の40%(上限20万円) | 資格を取って就職すると経費の10%(上限5万円) | 25万円 | 40%の額が4千円を超えない |
| 専門実践教育訓練 | 経費の50%(1年ごとの上限あり) | 条件を満たすと70%・80% | 1年ごとに決まる | この記事では計算しません |
特定一般の上乗せは、受講開始日が2024年(令和6年)10月1日以降の人が対象です。それより前に受講を始めた人は、40%までになります。
給付額が決まるまでの4段階
- 1教育訓練経費を出す入学料+受講料(割引後・還付分を引いた額)
- 2給付率を掛ける一般20%/特定一般40%
- 3上限で止める一般10万円/特定一般20万円
- 44千円以下なら支給なし特定一般は条件を満たせば10%(上限5万円)を上乗せ
最後に、受講料から給付額を引いた残りが実質負担
図:教育訓練給付金の計算の順番。経費に給付率を掛け、上限と4千円の線で調整する。
計算に入れる「教育訓練経費」とは
教育訓練経費は、講座の実施者に払った入学料と受講料の合計です。一般教育訓練は、受講料が最大1年分までと決まっています。
次の費用は経費に入りません。講座の案内に「受講料」と書いてあっても、内訳を見て外します。
- 検定試験の受験料
- 受講に必ずしも必要でない補助教材費、補講費
- 交通費、パソコンなどの器材の費用
- クレジット会社に払う手数料、申請時点で払い終えていない額
割引を使った場合は、割引後の額が経費です。実施者や勤め先から還付を受ける予定がある場合も、その分を引いて申請します。
一般教育訓練だけは、足せる費用があります。受講開始日の前1年以内にキャリアコンサルタントの相談を受けた場合、その費用を2万円まで経費に加えられる決まりです。
上限に届く受講料と、0円になる受講料
上限に届く経費を先に覚えておくと、計算がぐっと楽になります。一般も特定一般も、経費50万円が基本の給付が上限に届く線です。
| 区分 | 基本の給付が上限に届く経費 | 支給されない経費 |
|---|---|---|
| 一般教育訓練 | 50万円以上(10万円で頭打ち) | 2万円以下(20%が4千円以下) |
| 特定一般教育訓練 | 50万円以上(20万円で頭打ち) | 1万円以下(40%が4千円以下) |
| 特定一般の上乗せ | 50万円以上(5万円で頭打ち) | 基本の給付が出ない場合は対象外 |
受講料が50万円を超える講座は、超えた分に給付がつきません。高い講座ほど、実質負担の割合が大きくなります。
教育訓練給付金の計算欄
受講料・区分・雇用保険の加入期間を入れると、給付額と実質負担が出ます。区分は、講座の案内か厚生労働省の検索システムで確かめた値を選んでください。
教育訓練給付金の計算欄(一般・特定一般)
- 基本の給付額:
- 基本だけの場合の実質負担:
- 資格を取って就職した場合の上乗せ:
- 上乗せまで受け取った場合の実質負担:
- 上限の目安:
入力した金額はこのページの中だけで計算し、どこにも送りません。
計算欄の使い方と結果の読み方
教育訓練経費には、入学料と受講料だけを足した額を入れます。検定試験の受験料や教材の追加購入費は外してください。
加入期間は、受講開始日の時点で雇用保険に入っていた期間です。転職していても、空白が1年以内なら前の会社の期間を足せます(数え方は後の章で説明します)。
結果の「追加」は、特定一般の上乗せ分です。修了後に資格を取り、原則1年以内に雇用保険に入る形で就職した場合の額になります。
受講料ごとの計算例
計算欄と同じ式で、よくある受講料を計算しました。端数は1円未満を切り捨てています。
一般教育訓練の計算例
| 教育訓練経費 | 経費×20% | 給付額 | 実質負担 |
|---|---|---|---|
| 1万8千円 | 3,600円 | 0円(4千円以下) | 1万8千円 |
| 8万円 | 1万6千円 | 1万6千円 | 6万4千円 |
| 20万円 | 4万円 | 4万円 | 16万円 |
| 60万円 | 12万円 | 10万円(上限) | 50万円 |
特定一般教育訓練の計算例
| 教育訓練経費 | 基本の給付(40%) | 上乗せ(10%) | 合計 | 実質負担(上乗せまで) |
|---|---|---|---|---|
| 8万円 | 3万2千円 | 8千円 | 4万円 | 4万円 |
| 30万円 | 12万円 | 3万円 | 15万円 | 15万円 |
| 60万円 | 20万円(上限) | 5万円(上限) | 25万円 | 35万円 |
30万円の例は、ハローワークのリーフレットに載っている例と同じです(入学料5万円+受講料25万円)。基本の給付が12万円、資格を取って就職した場合の上乗せが3万円で、合計15万円になります。
経費30万円の講座で、区分による差
- 給付額
- 6万円
- 実質負担
- 24万円
- 事前の手続き
- なし
- 給付額
- 12万円(上乗せで15万円)
- 実質負担
- 18万円(上乗せで15万円)
- 事前の手続き
- 受講開始の2週間前まで
図:同じ30万円でも、特定一般は一般の2倍以上が戻る。代わりに受講前の手続きが要る。
同じ資格でも、講座によって一般と特定一般に分かれることがあります。候補が2つあるなら、区分まで並べて実質負担で比べてみてください。
自分の区分と受け取れるかを判定する
計算の前に、そもそも受け取れるかを確かめます。順番は、講座の指定→加入期間→離職後の期間→前回の受給、の4つです。
教育訓練給付金の区分と受給の判定
- 講座は厚生労働大臣の指定講座か(検索システムで確認)
- いいえ給付の対象外指定の期間内に受講を始めることも条件
- 指定の区分はどれか
- 一般20%(上限10万円)で計算受講前の手続きはなし
- 特定一般40%+上乗せ10%で計算受講開始の2週間前までに受給資格確認
- 専門実践区分の確認まで給付額はハローワークで確かめる
- 受講開始日までの加入期間
- はじめて一般・特定一般は1年以上専門実践は2年以上
- 2回目以降3年以上前回の受講開始日より後の期間で数える
離職している人は、離職日の翌日から1年以内に受講を始めることも条件
図:区分は講座で決まり、受け取れるかは加入期間と離職後の期間で決まる。
区分は、講座の名前から推測しないでください。同じスクールの同じ資格でも、コースによって区分や指定の有無が変わるためです。検索システムの使い方は「教育訓練給付金 検索システムの使い方」にまとめています。
雇用保険の加入期間の数え方
計算欄の「加入期間」は、リーフレットでは「支給要件期間」と呼ばれています。受講開始日までに雇用保険に入っていた期間のことです。
| 場面 | 数え方 |
|---|---|
| 同じ会社でずっと働いている | 入社から受講開始日までの期間 |
| 転職して、空白が1年以内 | 前の会社と今の会社の期間を足す |
| 転職して、空白が1年を超える | 今の会社の期間だけ |
| 前に給付金を受けたことがある | 前回の受講開始日より前の期間は足さない |
たとえば前の会社で2年、1年以内の空白をはさんで今の会社で1年なら、通算3年になり、2回目以降の3年の条件も満たせます。
正確な期間は、住所を管轄するハローワークで確かめられます。自分の記憶だけで数えると、空白の長さを読み違えがちです。
離職している人の期限
会社を辞めた人は、離職日の翌日から1年以内に受講を始める必要があります。1年を過ぎてから申し込んだ講座は対象外です。
妊娠・出産・育児・病気・けがなどで、受講できない期間が30日以上続いた場合は、ハローワークに申し出て期限を延ばせます(延長は最大19年で、離職から最大20年以内)。
計算どおりに受け取れないケース
計算欄の金額は、条件を満たしたときの目安です。次の場合は、給付が減るか、受け取れません。
| ケース | どうなるか |
|---|---|
| 前回の給付から3年たっていない | 受講開始日の前日から3年以内に受けていると支給されない |
| 講座を修了できなかった | 修了が条件のため支給されない |
| 特定一般で受講前の手続きをしていない | 訓練前キャリアコンサルティングと受給資格確認がないと受け取れない |
| 修了後の申請が遅れた | 修了日の翌日から1か月以内に申請する |
| 申請時点で受講料を払い終えていない | 未納の額は経費に入らない |
特定一般は、受講開始日の2週間前までにハローワークへ書類を出します。その前に、訓練前キャリアコンサルティングを受けてジョブ・カードをもらうのが条件です。
申込みから受講開始までの日数が短い講座では、この手続きが間に合わないことがあります。特定一般の講座を選ぶときは、受講開始日から逆算して日程を組んでください。
制度全体の流れと申請の手順は「教育訓練給付制度の使い方」で解説しています。
よくある質問
Q1. 教育訓練給付金はいくらもらえますか?
一般教育訓練は受講料の20%で、上限は10万円です。特定一般教育訓練は40%(上限20万円)で、資格を取って就職すると10%(上限5万円)が上乗せされます。
Q2. 受講料が50万円を超えると、給付も増えますか?
増えません。一般は10万円、特定一般は基本20万円・上乗せ5万円で頭打ちです。50万円を超えた分は、そのまま自分の負担になります。
Q3. 検定試験の受験料も計算に入れてよいですか?
入れません。教育訓練経費は入学料と受講料の合計で、検定試験の受験料・交通費・パソコン代は外して計算します。
Q4. 給付金はいつ受け取れますか?
一般・特定一般は、講座を修了してから申請して受け取ります。申請は修了日の翌日から1か月以内です。受講料は、いったん全額を自分で払う前提で準備してください。
教育訓練給付金の計算のポイント
- 給付額は教育訓練経費×給付率。一般20%(上限10万円)、特定一般40%(上限20万円)
- 特定一般は資格を取って就職すると10%(上限5万円)を上乗せ。合計の上限は25万円
- 経費は入学料+受講料。検定料・交通費・器材費は入れない
- 給付率を掛けた額が4千円以下なら支給なし。経費50万円で上限に届く
- 受け取れるかは、講座の指定・加入期間(はじめては1年以上)・離職後1年以内で決まる




出典(2026年11月5日確認): ハローワーク 一般教育訓練の「教育訓練給付金」のご案内(支給額・教育訓練経費・支給要件期間・適用対象期間の延長)/ハローワーク 特定一般教育訓練の「教育訓練給付金」のご案内(支給額と計算例・追加の給付・受給資格確認)/ハローワークインターネットサービス 教育訓練給付制度(3区分の給付率・加入期間・申請期限)/厚生労働省 教育訓練給付制度(区分ごとの給付率と上限)
※本記事は2026年11月時点のハローワーク・厚生労働省の公表資料をもとにした一般的な整理です。計算欄の結果は目安で、支給の可否と金額はハローワークの審査で決まります。個別の受給資格は、住所を管轄するハローワークにご確認ください。

