国家資格難易度ランキング|簡単に取れるものから最難関まで

国家資格の難易度は、受験資格の有無で分けて読むと「簡単に取れる国家資格」から最難関までの位置づけが正確につかめます。合格率約90%の養成課程型から、合格率約5%・勉強3,000時間級の士業まで、各実施団体の公表データ(2024年度)と、受験資格・給付金対象かを一覧で整理します。

この記事でわかること

  • 国家資格の難易度は受験資格の有無で分けて読むと全体像がつかめる
  • 受験資格なしで誰でも受けられる国家資格と、実務・養成課程が必要な資格に大別できる
  • 合格率・勉強時間は各実施団体の公表値(2024年度)で確認し、偏差値は非公式の相対目安として扱う
  • 国家資格の講座は専門実践教育訓練給付(最大70%)の対象が多く、実質コストで見直せる
  • 「簡単な国家資格」でも合格率のワナがあり、数字は行全体で読む

主な出典: 各国家資格の実施団体公表データ(2024年度)/厚生労働省「教育訓練給付制度」(参照

目次

国家資格の難易度は「受験資格の有無」で読み解く

先に結論です。国家資格とは、法律にもとづいて国や指定機関が知識・技能を証明する資格です。その難易度は、合格率や勉強時間だけでなく「受験資格の有無」を重ねて読むと正確につかめます。

多くのランキングは合格率順・勉強時間順で並びます。ただ、それだけでは「簡単に取れる国家資格はどれか」という問いには答えきれません。

理由は、受験資格の有無で「体感的な難易度」が大きく変わるからです。誰でも受験できる資格は独学で最短ルートを組めます。一方、実務経験や養成課程が前提の資格は、受験にたどり着くまでに年単位の時間がかかります。

国家資格は受験資格なし・学歴実務要件・養成課程前提・課程修了取得の4タイプに分かれ、受験資格の有無で体感難易度が変わる。
図:国家資格は受験資格の有無で4タイプに分けて難易度を読む

国家資格を受験資格の有無で4タイプに分ける

  • タイプA:受験資格なし:年齢・学歴を問わず誰でも受験できる(宅建士・ITパスポート・行政書士・公認会計士など)
  • タイプB:学歴・実務の要件あり:一定の学歴や実務経験を満たすと受験できる(社労士・保育士・社会福祉士など)
  • タイプC:養成課程が前提:指定の学校や実務を経て受験する(看護師・介護福祉士・医師など)
  • タイプD:課程修了で取得:指定校の卒業で試験免除になる資格もある

「難易度の低い国家資格」を探すなら、まずタイプAのうち勉強時間が短い資格から見るのが近道です。合格率だけを見て養成課程型の資格に飛びつくと、受験までの長さで挫折しやすくなります。

国家資格難易度ランキング一覧|簡単なものから最難関まで

先に結論です。国家資格の難易度は、受験資格のタイプで3つに分類してから合格率・勉強時間を重ねると、自分の狙う位置づけが見えてきます。

まず、国家資格は受験資格の観点で「なし」「学歴・実務の要件あり」「養成課程が前提」に分かれます。同じ分類のなかでも、難易度には入門から難関まで幅があります。

国家資格は受験資格なし・学歴実務要件・養成課程前提の3タイプに分類でき、各タイプ内で入門から難関まで難易度に幅がある。
図:国家資格は受験資格タイプで3分類でき、同じ分類内でも難易度に幅がある

以下は主要な国家資格を難易度の目安順に並べた一覧です。合格率・勉強時間は各実施団体の公表値(2024年度)をもとにした目安で、回・年度・受験者層により変動します。偏差値換算は非公式の相対目安として参考程度に見てください。

給付金欄は「講座が指定を受けているか」で決まり、資格そのものではなく講座単位で異なります。

主要な国家資格の難易度一覧(各実施団体公表・2024年度/偏差値は非公式の目安)

国家資格難易度ランク(偏差値の目安)受験資格合格率(実施団体・年度)勉強時間の目安給付金対象講座
ITパスポートD(約45)なし約50%(IPA・2024年度)約100〜180時間対象は限定的
危険物取扱者 乙種4類D(約45)なし約30〜40%(消防試験研究センター・2024年度)約40〜60時間対象は限定的
第二種電気工事士C(約48)なし筆記 約60%(電気技術者試験センター・2024年度)約80〜150時間対象講座あり
基本情報技術者C(約49)なし約40〜50%(IPA・2024年度)約150〜200時間対象は限定的
保育士C(約55)学歴・実務等の要件約20〜25%(全国保育士養成協議会・2024年度)約100〜180時間専門実践の対象講座あり
FP2級C(約55)3級合格等の要件学科 約40〜60%(日本FP協会/きんざい・2024年度)約150〜300時間一般教育訓練の対象講座あり
宅建士B(約57)なし約18.6%(不動産適正取引推進機構・2024年度)約300時間一般・特定一般の対象講座が多い
社会福祉士B(約58)指定科目・実務/養成課程約58%(社会福祉振興・試験センター・2024年度)約300時間対象講座あり
行政書士B(約62)なし約13.98%(行政書士試験研究センター・2024年度)約600〜1,000時間対象講座あり
気象予報士A(約64)なし約4〜6%(気象業務支援センター・2024年度)約1,000時間対象は限定的
社労士A(約65)学歴・実務等の要件約6.9%(社会保険労務士会連合会・2024年度)約1,000時間専門実践の対象講座あり
公認会計士S(約74)なし論文最終 約7〜11%(公認会計士・監査審査会・2024年度)約3,000時間超専門実践の対象講座あり
司法書士S(約76)なし約5%(法務省・2024年度)約3,000時間専門実践の対象講座あり

表を見ると、受験資格なしでも合格率5%の難関から50%の入門まで幅が大きいとわかります。数字を1つだけ取り出さず、行全体で読むのがコツです。

なお、国家資格に民間・ベンダー資格まで加えた横断ランキングや偏差値の全体像は、資格難易度ランキングの一覧で整理しています。国家資格に絞りたいときは本記事、全資格の位置づけを知りたいときはそちらが役立ちます。

受験資格なしの国家資格と、要件がある国家資格の違い

先に結論です。「簡単に取れる国家資格」を狙うなら、受験資格なしで勉強時間が短いタイプが入口です。ただし要件のある資格にも、合格率が高く就職に直結する強みがあります。

受験資格なしの国家資格は誰でも出願でき独学しやすい一方、実務や養成課程が必要な国家資格は到達までが長く体感難易度が高い。
図:受験資格なしの国家資格と、実務・養成課程が必要な国家資格の違い

受験資格なしで挑戦できる国家資格

ITパスポート・危険物取扱者・第二種電気工事士・宅建士などは、年齢や学歴を問わず誰でも受験できます。合格率 約50%(IPA・2024年度)のITパスポートのように、入門系は独学や通信講座で数か月を目安に狙えます。

一方で、受験資格なしの資格には気象予報士(合格率 約4〜6%・気象業務支援センター・2024年度)や司法書士のような難関も含まれます。「受験資格なし=簡単」ではない点に注意が必要です。

実務経験・養成課程が必要な国家資格

看護師・介護福祉士・医師などは、指定の養成課程や実務を経てから受験します。合格率は看護師で約90%(厚生労働省・2024年度)と高めですが、受験までに数年かかるため「体感難易度」は高くなります。

社労士や社会福祉士のように、学歴・実務の要件を満たせば受験できるタイプもあります。要件のある資格は、医療・福祉・人事など就職に直結しやすいのが強みです。

最難関の士業と「給付金で実質コストを下げる」考え方

先に結論です。合格率5%前後の難関国家資格ほど、講座が専門実践教育訓練給付(最大70%)の対象になっていることが多く、実質コストで見直せます。

司法書士・公認会計士・社労士などのS・Aランクは、勉強時間1,000〜3,000時間級です。独学が難しく、受講料の高い講座を使う人も少なくありません。

目的を決め、割ける勉強時間を出し、受験資格を確認し、給付金で実質コストを見て狙う国家資格の難易度帯を決める。
図:目的から国家資格の難易度帯を決める4ステップ

教育訓練給付には、一般教育訓練(受講料の20%)、特定一般(40%)、専門実践(最大70%)の3種類があります。難関資格ほど専門実践に指定されている傾向があり、難易度の高さと給付金の手厚さは連動しやすいのが実態です。

たとえば受講料20万円の講座でも、専門実践の対象なら給付後の実質負担が6万円前後まで下がることがあります。ただし対象になるのは「指定講座を、要件を満たして修了した場合」だけです。対象講座の見分け方は教育訓練給付金の対象講座一覧と見分け方、申請の流れは教育訓練給付制度の使い方で確認できます。

国家資格の難易度データを読む3つの注意点

先に結論です。国家資格の難易度は、「合格率のワナ・偏差値の非公式性・年度のブレ」を知って読むと、判断材料として使えます。

数字を鵜のみにしないための3点

  • 合格率が低い=難しい、とは限らない:受験資格のない資格は記念受験が混じり、合格率が実力以上に低く出ることがあります。逆に養成課程を経る資格は合格率が高くても、到達までが長い
  • 偏差値は公式値ではない:各社が独自換算した相対目安です。機関・年度・基準の書かれていない偏差値は、そのまま比較に使わない
  • 合格率・勉強時間は年度でブレる:同じ試験でも回や年度で数字が動きます。本記事の数値も「約」「〜」で幅を持たせています。最新値は各実施団体の公式発表で確認してください

数字は「傾向をつかむ入口」であって、自分の受験資格・可処分時間・費用に当てはめて初めて意味を持ちます。合格率の高さや勉強時間の短さだけで飛びつくのは避けたいところです。

目的から選ぶ|どの難易度帯の国家資格を狙うか

先に結論です。国家資格は順位を競うためではなく、「目的に対して、割ける時間と受験資格で届く資格はどれか」を選ぶために難易度を見ます。

同じ国家資格でも、目的が違えば「ちょうどよい難易度」は変わります。転職の武器にしたいのか、実務で使いたいのか、まず入門から始めたいのかで、狙う帯は変わってきます。

目的別・見るべき国家資格の難易度帯の目安

  • 転職の武器にしたい:独占業務のあるB〜Aランク(宅建士・行政書士・社労士など)。ただし転職での評価は資格ごとに差がある
  • 働きながら短期で成果:受験資格なしのC〜Dランク(ITパスポート・宅建士・危険物取扱者など)
  • 医療・福祉で長く働く:養成課程型(看護師・介護福祉士など)。受験までは長いが就職に直結

どの国家資格が転職で有利かは、難易度とは別の評価軸です。転職効果で厳選した一覧は転職に有利な資格おすすめ10選、取る順番の考え方は社会人が資格を取る順番で整理しています。受験資格なしの入門系を独学で狙うなら、ITパスポート独学合格法もあわせてご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q1:一番簡単な国家資格は何ですか?

明確な「一番」はありませんが、受験資格がなく勉強時間が短い資格が狙い目です。ITパスポートは合格率 約50%(IPA・2024年度)・勉強時間 約100〜180時間で、社会人の入門として人気があります。危険物取扱者 乙種4類や第二種電気工事士も、比較的挑戦しやすい部類です。ただし「簡単」でも継続学習は必要で、独学で挫折する人もいます。

Q2:受験資格なしで受けられる国家資格にはどんなものがありますか?

年齢・学歴を問わず受験できる国家資格として、ITパスポート・宅建士・行政書士・危険物取扱者・気象予報士・公認会計士・司法書士などがあります。ただし難易度の幅は大きく、宅建士の合格率 約18.6%(不動産適正取引推進機構・2024年度)から、司法書士の 約5%(法務省・2024年度)まで開きがあります。受験資格の有無と難易度は別の軸として見てください。

Q3:国家資格で一番難しいのはどれですか?

基準によって入れ替わります。合格率で見ると司法書士 約5%(法務省・2024年度)、勉強時間で見ると司法試験や公認会計士(約3,000時間超)が最難関とされます。「一番」は合格率・勉強時間・受験資格のどれで見るかで変わるため、単一の順位より、自分が割ける時間で届くかどうかで見るほうが実用的です。

Q4:国家資格は独学で取れますか?

資格によります。受験資格なしで試験科目が絞られた入門系(ITパスポート・危険物取扱者など)は独学と相性が良いです。一方、司法書士・社労士など勉強時間1,000時間超の難関は、独学だと挫折しやすくなります。市販の過去問が充実しているか、実技試験の有無を確認するのが判断の目安です。難関資格は給付金対象の講座で実質コストを抑える選択肢もあります。

Q5:難易度の高い国家資格でも給付金は使えますか?

使える場合があります。専門実践教育訓練給付は受講料の最大70%が支給され、難関の国家資格ほど対象に指定されている傾向があります。ただし対象は「指定講座を要件どおり修了した場合」で、資格名で自動的に決まるわけではありません。対象かどうかは対象講座一覧と見分け方で確認してください。

まとめ|国家資格の難易度は「受験資格の有無」から読む

この記事の要点
  • 国家資格の難易度は受験資格の有無で分けて読むと位置づけが見える
  • 受験資格なしのITパスポートや危険物取扱者が「簡単な国家資格」の入口
  • 合格率・勉強時間は各実施団体の2024年度公表値で確認し、偏差値は非公式の相対目安として扱う
  • 難関の国家資格ほど専門実践給付(最大70%)の対象講座が多く、実質コストで見直せる
  • 難易度で候補を絞ったら、転職効果・独学可否は別軸で確かめる

国家資格の難易度は、順位を競う数字ではなく、自分の受験資格・可処分時間・費用に届く資格を選ぶための物差しです。まず受験資格の有無でタイプを分け、勉強時間で候補を絞り、難関なら給付金で実質コストを確かめる。

この順番で見ていくと、「簡単に取れる国家資格」から最難関まで、自分に合った一本を落ち着いて選べます。

免責事項

※本記事は一般的な情報を整理した参考情報です。合格率・勉強時間・偏差値は各実施団体の公表値および各社の独自換算をもとにした2024年度時点の目安で、回・年度・受験者層により変動します。最新の試験要項・受験資格・合格率は各実施団体の公式発表でご確認ください。教育訓練給付の対象・支給要件は制度改正や講座の指定状況で変わるため、個別の申請はハローワーク・各講座事務局など専門窓口にご相談ください。

参考・出典

関連記事

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

Hayashiです。人材派遣会社で6年、登録スタッフの方のキャリア相談を担当し、これから資格を取りたいという社会人や主婦の方から、通信講座選びの相談を200件以上受けてきました。教育訓練給付の申請サポートも数多く手がけています。

きっかけは、30代前半で自分も何か資格を取りたいと思い立ったとき、講座の情報が多すぎて選ぶ基準が分からず、途方に暮れた経験です。実際にフォーサイトやユーキャンの教材を取り寄せて比べ、FP3級を取り、宅建にも挑戦しました。

資格選びで損をする人のつまずき方は、だいたい決まっています。人気だけで選んで生活リズムに合わなかった、給付金の対象か確かめず全額自己負担になった、といったケースです。そうした失敗を減らせるよう、費用・合格率・学習スタイルの3つの軸で通信講座を正直に比べています。

目次